こんにちは、HSPシニアブロガーのフレです。このブログは「非常に感受性が強く敏感で繊細気質を持ったHSPシニア(中高年・定年前後)」の方向けに書いています。
この記事では、「HSPシニアとは?その5つの特徴」について、私の経験を踏まえてお話しします。
繊細HSPシニアとは?
私はこの記事を書いている時点で64歳と11か月です。もうすぐ65歳。いわゆる年金生活世代に突入です。シニアであるとともにHSPでもあります。
HSPとは「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」の略で「非常に感受性が強く敏感で繊細な気質を持った人」のことです。
また、このブログではシニアを「概ね50歳前後以上で、成功も失敗も含め人生経験・体験・スキルが豊富な人」と定義しています。繊細HSPシニアとは、この両方を併せ持つ人のことです。
HSPかつシニアの特徴に適した生活・仕事・生き方を自らの意志で選択することで、人生がより充実して送れるようにすることを、このブログでは目的としています。
さて、私の場合、HSP気質で際立っているのは、大きな音や声に極度にビクッとしたかと思えば、小さな話し声やBGMが気になって集中できなかったりすることです。
また、共感性が強過ぎて相手の不機嫌が自分のことのように思えてしんどくなったり、他人の気持ちを深読みしすぎてなかなか行動を起こせなかったりもします。
こうしたHSPという概念は比較的新しく、私自身がこの言葉を初めて知ったのも今から2年ほど前の2020年あたりだったと記憶しています。私たち人類の約5分の1(20%)がHSPらしいですが、私は64歳超えて初めて自分が若いころからずっとHSPだったとはっきり気が付きました。
それまでは「なんで自分はこんないろいろなことに敏感で繊細なんだろう?」と思っていました。小さなことに気が付かず、細かいことに配慮せず、ガサツで鈍感な人が世の中にいる事がとても不思議で理解できなかったのです。
HSPの特徴は、プライベート生活やビジネスでとても不便で弊害になることもあれば、逆に繊細・慎重で人の気持ちがわかり完璧を目指してしまう面が良い方向に働くこともあります。
また加えて、シニア世代はたくさんの経験や体験・スキルを持っており、それらによってこのHSPの気質を良い方向へ活かしている人も多いです。
「豊富な経験+繊細さ」
がHSPシニアの最大のメリットだと言えます。
現在シニアの人は人生の大半を「HSPという概念」がない時代を過ごしています。つまり、原因が不明なまま「自分はどこか他人と違って繊細過ぎておかしいのではないか?」と思って人生を生きてきた人が大半です。
そのため、一旦自分がHSPであると知ってしまえば、安心するとともに、その気質を良い人生へと活かせる操縦法をマスターできる人も増えています。私の場合も、HSPと知った瞬間から、原因がわかったせいかとてもホッとし安堵感・安心感に包まれました。
そして、そんな自分を変えるのではなく、環境・外的な要因を変えるという対策もわかり、さらにこのHSP気質を良い方向へ活かせるようにもなりました。
特にビジネス関係や起業するといった場合、HSPかつシニアの特徴に適した仕事やジャンルを自らの意志で選択することで、とても生きやすくなれることを実体験してきました。
逆にHSP&シニア両方のデメリットが合わさってしまうととても生きづらくなってしまうので注意が必要です。例えば、融通が利かず頑固でかつ、敏感繊細な人は争いを起こしてしまいがちです。それらを踏まえて、まずは一般的なHSPの特徴についてみてみましょう。
一般的なHSPの特徴
さて、一般的なHSPの特徴としては以下があげられます。
ひとつずつ見ていきましょう。
①深読み・先読みしすぎる
あれこれ深く考え過ぎたり、人の気持ちを深読みしすぎたり、未来を先読みし過ぎたりして、なかなか行動を起こせない。
例えば、「あの人にこう言う言い方をすると、きっとこう言う反応が返ってきて、今後やりにくくなるだろうから、やっぱり言うのはやめとこう」と自分で勝手に決めつけてしまう。
また、「新しいことにチャレンジしたいけど、リスクはこれこれで、最悪はあ~なってこ~なって、誰それに迷惑かけて文句言われて、結局大変なことになってしまいそうやな、やっぱりやめとこう」と、際限なく妄想が始まる。
そして、いつも第一歩を踏み出せず、だんだん欲求不満が蓄積し、いずれどこかで爆発または沈没してしまう。そんな自分がイヤになる。
一方、こうした特性を活かすと、仕事でもプライベートでもしっかり計画を立てたり下調べを充分行ったりと言った信頼性アップに役立ちます。また、相手の感情をすぐに読み取り、相手の立場にたった発言や行動ができます。
👉結論①
メリット:計画的、熟考、慎重、相手の立場に立てる
デメリット:なかなか行動できない、第一歩を踏み出せない、考え過ぎる
②五感への刺激が敏感過ぎる
聴覚・嗅覚・触覚・視覚・味覚のすべてまたは一部に対して、刺激を過剰に受け取り過ぎる。
例えば、大きなもの音(犬の吠える声・車のクラクション・くしゃみ・ドアをバタンと閉める音)にいちいちビクッとしたり、電車での他人の話声や喫茶店の小さなBGM、エアコンの室外機の音などが異常に気になったりして集中できない。(聴覚)
散歩していても、目に入るものすべてが気になっていちいち反応してしまったり(視覚)、衣服の襟のタグやタートルネックが肌に触れて気になって着ることができなかったりする(触覚)。
一方、こうした特性を活かすと特に仕事で活かせる場合があります。例えば、聴覚だと音楽関連、味覚だと食品関連、触覚だと衣類関連などで専門職種に就くことができる可能性があります。
👉結論②
メリット:鋭い感覚を生かした仕事に就ける
デメリット:刺激に繊細過ぎて生活に支障が出る
③共感力が高すぎる
相手の感情やご機嫌を瞬時に感じ取り、共感したり自分の責任にしたりしてしまいしんどい。
例えば、相手が笑顔でも心が不機嫌なことを敏感に察知すると、それを自分のせいに勝手にしてしまい、一緒にいるのがつらく離れたくなる。(実際は、相手は何も思っていない)
こうした共感力の高さから、頼みごとを断れず全部引き受けてしまいしんどい。(実際、断っても相手は何とも思っていないことがほとんど)
一方、こうした特性を活かすと、他人の感情を敏感に感じ取る職業に向いています。例えば、接客、営業、コンサルタント、相談窓口などです。また、各種仲介役なども向いているかもしれません。
ただし、これらは表裏一体です。仕事内容としては向いているけれど、人間関係がしんど過ぎて続けられない、ということも多々あるからです。
👉結論③
メリット: 感情を敏感に感じ取る職業に向いている
デメリット:断れない、責任を感じすぎる、不機嫌が伝染する
④些細なことが気になり過ぎる
ちょっとした周りの環境変化や、ささいな間違い、時間(遅刻)などが気になり過ぎる。
例えば、今書いているこの記事のどこで句読点を打つのが正解なのか?接続詞の使い方はこれでいいのか?表の行や列の幅や配置はどれがベストか?などを深く考え過ぎてしまい時間がかかる。また、いつも遅刻する人・時間を守れない人が許せない。
決してもともと完璧主義なのではなく、些細なことが気になり過ぎて結果として完璧にしてしまう。そこまで完璧にする必要がないことは理屈ではわかっているし、本当は適当にいい加減にざっくり生きていきたいのに、完璧にしてしまう自分がしんどい。
一方、こうした特性は他人から見ると「完璧な人」「ミスの少ない人」「時間を守る人」「きちんとしている人」などいわゆる信頼できる人という評価が得られます。ただし、完璧な人が必ずしも愛されるわけではありません。完璧でない人の方が可愛げがあってなぜか愛されることが多いからです。
👉結論④
メリット:周りから信頼できる人という評価が得られる
デメリット:他人のミスやいい加減さ・気遣いのなさに憤慨する、可愛げがない
⑤他人・環境・経験から影響されやすい
褒められたり成功すれば俄然やる気になり、怒られたり失敗したら完全にやる気をなくす。過去の成功や失敗体験が忘れられない。
例えば、幼いころに親に怒られたり褒められたり認めてもらったりしたことが、大人になっても行動に影響を与えている。私の場合、小さいころに母親に「あんたは大器晩成型や!」と言われたことを未だに信じて頑張っています(笑)
また、嫌いな人・相性が合わないとわかっているのに逆に気に入られようとする行動をとってしまったり、他人に自分を認めさせたりすることが目的になってしまったりしてしまう。普通の人に言わせたら、イヤな人なら離れたらいいでしょ!という感じです。はい、その通りなのですが・・。
さらに、他人を信じやすく、すぐに影響を受け、勧誘や詐欺話に引っ掛かりやすいので、注意が必要です。
一方、信用できる人からの信用できる話であれば、すぐに影響を受けてやる気になる気質が良い方向へ進みます。
👉結論⑤
メリット:影響を受けやすい(良い場合)
デメリット:影響を受けやすい(悪い場合)
一般的なHSPの特徴のまとめ
以上5つの特徴をすべてまたはいくつか持った人はHSPの可能性があります。HSPのほとんどの人は他人からこう言われます。
・そんな細かいこと別に気にしなくていいやん!
・そんなに神経質にならなくていいやん!
・そこまで完璧でなくてもある程度適当でもいいやん!
・言いたいことがあったら素直に言えばいいやん!
・なんでそんな小さなことが気になるん?
・イヤなら止めたらいいやん!
身に覚えがある人もいると思います。HSPは性格というより生まれ持った気質なので、そう言われてもなかなか気質をズバッと変えることは難しいのが現実です。
次に、HSPとは無関係の一般的なシニアの特徴についてみてみましょう。
一般的なシニアのメリット
HSPシニアの中のHSP気質とは関係なく、シニア特有のメリット・デメリットがあります。
一般的にシニアのメリットは以下の様になります。
①人生経験が豊富
②スキルやノウハウがある
③本質を理解している
ひとつずつ見ていきましょう。実は大切なメリットなのに気が付いていない人も多いです。
①人生経験が豊富
成功も失敗も含めて積み重ねてきた経験・体験が年齢を重ねるごとに豊富になります。仕事で辛酸を舐めつくしたこともあるでしょう。いろいろなトラブルに巻き込まれて酸いも甘いも知っています。たくさんの困難を何とか乗り越えた喜びも経験したことでしょう。
例えば、いじめ・仲間外れ・友情・受験・就職・人間関係・結婚・子育て・夫婦問題・住宅・金銭問題・裏切り・儲け話・詐欺・借金・裁判沙汰・親の介護・葬儀・遺産相続・仏壇・お墓などなど。
ある程度年齢を重ねたら、人生の悩みはなくなるものと若いころは思っていましたが、現実の生活では問題が次から次へとやってきます。こうした経験・体験が豊富で、対応策や解決のヒントなども知っているところがシニアの大きなメリットです。
②スキルやノウハウがある
シニアのメリットの2つ目は、仕事であれ趣味であれ生活の知恵であれ、自分自身が従事してきたジャンルにおいてそれなりのスキルやノウハウを持っていることです。例えば、
仕事なら
専門知識&スキル(従事してきた職種・ジャンルごと)
人をまとめて動かすスキル(役職者・経営者・コンサルタント)
起業・開業・集客・仕組み化スキル(経営者・個人事業主・フリーランス)
他、人間関係スキル、接客スキル、ITスキルなど
趣味なら
専門知識&スキル(没頭してきたジャンルごと:楽器・生け花・スポーツ・手作り○○など)
経験談(やりたいことに第一歩を踏み出す方法、先生や教室の選び方など、精神論など)
生活なら
立場別の知恵やスキル(主婦の手抜き料理、サラリーマンの副業・投資、子育てなど)
など、シニアの人は何らかのスキルやノウハウをそれなりに持っています。「自分には人に教えるほどのモノは持っていない」と思っている人は多いですが、気が付いていないだけで、実際は誰でも持っています。
私の場合、先輩から「ギター弾きながらなんで同時に歌えるの?教えてよ」と言われたことがあります。自分が普通にやれていることを、あえて必要としている人がいる事に気が付いた経験があります。
もし、友人知人の誰かが「それってどうやったらできるの?」「ちょっと教えてよ!」と言われたらそれがあなたの「あなたより知らない人に教えられるスキル&ノウハウ」です。
③本質を理解している
シニアのメリットの3つ目は、一言で言えば人生の本質を理解していることです。年齢・経験を重ねれば重ねるほど、その本質を(良くも悪くも)わかってしまうことです。例えば、
恋愛・恋心・愛情の本質
人生は諸行無常
悩みはなくならない
体力も気力も必ず低下していく
人間関係は笑顔とちょっと一言
いつかは必ず死ぬ
人生は短い
モノより体験
お金より家族友人仲間
一人で生きていけない
多くの人に助けられて生きている
やらなかったという後悔は死ぬまで続く
後悔しないよう生きる
などです。こんなこと若いころは考えもしませんでした。また「自分が一番」「自分がいなければ・・」と思っていた人も多いと思います。シニアの最大のメリットはこうした本質を理解できていることだと私は思っています。
一般的なシニアのデメリット
一方、シニア世代のデメリットは主に以下の3点です。
①考え方に柔軟性が少ない
②体力・気力が低下
③経済的リスクを取りにくい
それぞれを見ていくと、
①考え方に柔軟性が少ない
良くも悪くも過去の成功体験や失敗体験にとらわれてしまって、それが唯一絶対的な正解だと信じてしまっているところです。このため、新しい発想・考え方や新しいスキル・ノウハウを取り入れようとしない傾向がシニアにはあります。
特にサラリーマンの場合、ITなど新しい技術・スキルは部下に任せられる環境にある人も多いです。そのため、自分で積極的に取り入れなくても立場が安泰な人も多いため、最新のスキルを習得する機会がないかもしれません。
②体力・気力が低下
シニア世代のデメリットの2つ目です。大半のシニア世代は40代後半から老化を感じ始めます。まず、小さな文字が見えづらくなる老眼から始まって、人によっては四十肩・五十肩・腰痛などの症状が出てきます。
無理をして徹夜したり、頑張り過ぎたりすると、翌日どころか2~3日体力が回復しなくなります。また、ホルモンバランスが崩れてきて、男女限らず更年期障害になる人も多いです。
体力だけの低下ならまだ対策はあります。体力仕事から頭脳労働にチェンジすればいいからです。ところが60代に入ると今度は気力もなくなってきます。体力の衰えはやる気という気力でカバーできていたことが、気力自体が低下すると今度はやる気そのものがなくなります。
シニアの最大のデメリットはこの気力の衰えだと私は考えています。やる気ホルモンであるテストステロンが減少するので避けられないのです。このデメリットに、HSP気質が掛け合わされると、ますます行動できなくなるからです。
③経済的リスクを取りにくい
シニア世代のデメリットの3つ目は、新しいチャレンジで経済的リスクを取りにくくなることです。なぜなら、もし失敗しても金銭面で取り返したり挽回したりするための残された時間が少ないからです。
まだ40代くらいまでなら、例えば脱サラ起業にチャレンジして失敗したとしても、挽回する時間や体力・気力も十分残っています。ただ、50代を超えてくると、チャレンジの程度・範囲をある程度縮小しておかないと、上手くいかなかった場合人生破綻しかねません。
この場合、シニアのデメリットをHSP気質である繊細さ・慎重さがカバーしてくれるかもしれません。いずれにしても、凡人HSPシニアの大きなチャレンジは低リスクにしておく必要があります。
まとめ
ここまで、一般的なHSPと一般的なシニアのそれぞれのメリット・デメリットを見てきました。こうしたHSPとシニアのメリットを組み合わせまた、デメリットを消しあえるような生活が送れたら理想です。
次回は、私自身のHSP&シニアの特徴と対応策をお話しします。
①深読み・先読みしすぎる
②五感への刺激が敏感過ぎる
③共感力が高すぎる
④些細なことが気になり過ぎる
⑤他人・環境・経験から影響されやすい