HSPシニアである私自身のシニアとしての特徴

こんにちは、HSPシニアブロガーのフレです。このブログは「非常に感受性が強く敏感で繊細気質を持ったHSPシニア(中高年・定年前後)」の方向けに書いています。

前回の記事では、「HSPシニアである私自身のHSP繊細気質の特徴」についてお話ししました。この記事では「HSPシニアである私自身のシニアの特徴」についてお話しします。

※HSP:Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略

私自身のシニアとしての特徴

シニアの一般的な特徴

シニアの一般的な特徴については以前の記事で、そのメリットとデメリットを紹介しました。簡単にまとめると次のようになります。

シニアのメリット

①人生経験が豊富
②スキルやノウハウがある
③本質を理解している

シニアのデメリット

①考え方に柔軟性が少ない(頑固)
②体力・気力が低下(ホルモンバランス低下)
③経済的リスクを取りにくい(残り時間が少ない)


私の場合もこれらのほとんどに当てはまっています。

私自身のシニアとしてのメリット

私自身が自覚しているシニアメリットは何といっても人生経験の多さだと思っています。もちろん、誰でもシニアになるとそれなりの人生経験があります。

私の場合は、いわゆる「普通に就職して、普通に定年を迎えて、老後はゆったり」というかつての定番お決まりのコースを進む予定でしたが、途中から外れて寄り道・迷い道をしてきました。

高校時代までは、目立たず引っ込み思案、平凡地味で、他人に気を使い、言いたいことも言えず、行動もできない、今振り返ると典型的なHSP気質でした。

そして、大学時代に入ると、HSP気質の反動が出たせいか「他人とはなにか違ったことをやるんだ!」という思いが強くなりました。そして、学校を無断で1年休みアルバイトをしてお金を貯め、半年間海外を放浪しました。結局5年かかって卒業しました。

あの頃はたぶん変な奴と思われていたはずです。今の時代なら、やりたいことをやってるカッコいいフロンティアと称賛されるかもしれませんね。HSPの人は普段おとなしいことが多いですが、突然大胆になる人も多いみたいです。

さて、当時は就職難の時代ではなかったので、まったくと言っていいほど就職活動はせず、学校から紹介されて一度面接に行っただけでそのまま一部上場の建設会社に入社できました。(良い時代でした)

そのまま無難に定年まで過ごせれば安泰だったのですが、HSPの私は毎日毎日、会社の人や非合理なルールなど周りに気を使い、合わせることで精神的にへとへとでした。

HSPの良い面を活かして仕事自体はとてもうまく(ミスなく手際よく)やっていたと思います。反面、HSPの繊細過ぎる気質が原因で、かなりしんどい人間関係のサラリーマン生活だったと思います。

仕事の頼まれごと・飲み会・各種付き合いなどすべて断ることなく笑顔で引き受け、終わったらドッと疲れる、というHSPあるあるの日々でした。当時はHSPという概念がありませんでしたから、これは自分の性分だと諦めていました。

来る日も来る日も、相手(上司、同僚、下請け、作業員)の感情を読み過ぎる、共感しすぎる、完璧にやり過ぎると言うのはとても心が疲弊します。

結局、約8年間勤務した後31歳の時、縁あって知人の小さな建設会社に転職(入社)しました。ここでは、とても自由にさせていただきました。主に新規工法の開発はじめ、すべてをゼロからやりました。

白紙から図面を書いたり、工場に入って施工機械を溶接組み立てしたり、人を面接して雇って労務管理したり、特許出願したり、飛び込み営業したり、現場監督したり、銀行借り入れ折衝したり、連帯保証したり、そして最後は社長業までさせていただきました。一通りの仕事はすべて経験したと思います。

ここでもまた、繊細さというHSP気質が仕事にすごく役立った面と、深読みし過ぎ・共感し過ぎ・完璧を求めすぎという気質が社内の人間関係で上手くいかない面がありました。

最終的に、オーナーとの理念の食い違いから私は47歳の時に自主退職をしました。その後も、過去の銀行借り入れや保証協会などの金銭問題から裁判沙汰にまで発展し、またまた貴重な人生経験をさせていただきました。

弁護士事務所や裁判所にも10回以上通いました。結局、裁判でコチラが勝っても、得をするのは弁護士さんだけです(笑)。

47才で自主退職後は、個人事業主として独立。ちょうど父親に老化の兆しが見え始め、ちょっとしたことができなくなりつつある頃でした。そのため何か高齢者の役に立つ仕事をしたいと思い、生活代行業(いわゆる便利屋さん)を始めました。

とはいえ、いきなり何のスキルもない私にいきなり便利屋ができるわけがありません。便利屋さんというだけあって、約50種類程度のサービスをすべてこなす必要があります。そこで、便利屋さんのFC(フランチャイズ)に加盟しました。

加盟金120万円を支払い研修を受け、いろいろなスキルを習得しました。月々のFC料7万円、その他広告費・仕入れ・固定費などで毎月数十万円が必要でした。希望に燃える私は、その程度の固定費出費などどうってことはない、売り上げで十分カバーできると高をくくっていました。

ところがどっこい、最初からお客さんがそんなに来るわけがありません。もちろん売り上げもあまり上がりません。固定費を支払うとほとんど毎月赤字です。

よくある典型的な素人起業でした。よくある情報弱者向け合法FCの餌食でした。ただし違法ではなく合法です。自分が納得し、自分で申し込みをしているので文句を言うところがありません。契約書にもサインしていますので何もできません。

雇われているときにはわからない世の中のある意味裏側の(真の?)仕組みをたっぷりと体験させていただきました。

2年でFCを脱退しました。その後は、便利屋業をしているときにお客さんのニーズが高かった遺品整理業や、そこから展開した仏壇整理業を専門に現在まで運営してきました。

あらゆる集客手段を試し経験しました。起業当初はまだインターネットが普及していなかったので、アナログ集客です。チラシポスティング、新聞折り込み、郵送DM、ファックスDM、広報誌、などあらゆる集客を試しました。しばらくしてインターネットが普及し始め、いち早くホームページを作成したら、いきなり検索結果のトップになり、遺品整理の仕事が入り始めました。

まだまだホームページを持っている業者も少なかったこともあり、合い見積もりなしの言い値で仕事を受注できました。ただ、そんな時代も長く続きません。どんどんと新規参入業者が増え、あっという間に価格崩壊です。安値を売りにする業者に仕事を持って行かれます。

「価格を下げるのはバカでもできる」と、何かの本に書いてあったことが頭にずっとありましたので、私は別の対策を取りました。実は、遺品整理を依頼するお客さんの中に、仏壇や位牌の処分で困っている人が予想外に多かったのです。

安売りは他社におまかせして、私は仏壇や位牌の整理仕舞いをする供養じまい専門サービスを別途スタートしました。数年間はそれほど依頼があるわけではありませんでしたが、確実に件数は増えていました。

いずれニーズは急増するだろうと見込んでいました。と同時に、また安売り参入業者も増えてくるであろうと予想できました。その事前対策のひとつとして、広告費を使わずに集客できるブログを始めました。いわゆるオウンドメディア、情報サイトというものです。

ブログの書き方講座、ブログ集客講座などにも通いました。まだZOOMのようなオンラインセミナーが普及していなかったので、わざわざ大阪から東京まで通い、ゼロからブログ記事の書き方を習得しました。

ブログ(サイト)そのものはワードプレスでプロに作ってもらい、私は記事を書くだけに専念しました。不得意でわからないことはできる人に任せるに限ります。

さて、初めて書いた記事をセミナーの講師に添削してもらいましたが、5回くらい書き直しでした。「この記事では意味不明」とダメだしされ、なかなか合格とはなりません。1記事目ひとつを完成させるのに1か月かかりました。

そこから10記事くらい書いてようやくコツがつかみ始めました。その後は、週に1記事ペースで書き始め、半年たったころから仕事の依頼がブログ経由でちょこちょこ入り始めました。

結果、ブログによる集客はとても上手くいきました。ブログだけで5年で6,000万円の売り上げがありました。ただ記事をコツコツ書くだけで、広告も出さずにこんなに仕事の依頼があるものなんだ、と驚きました。

さて、ここまで長々と私の経験・体験(ほとんど失敗談)を書きましたが、私自身のシニアとしてのメリットは、やはり以下の3点につきます。

私自身のシニアメリット

①人生経験が豊富
 いろいろ経験すると多少のことでは動じない、何とかなると思える
②スキルやノウハウを持っている
 たくさんの失敗から得た、ひとり起業で必要なスキルやノウハウを持っている
③本質を理解している
 悩み・困難に直面した時の心の持ち方・マインドセットの仕方や、人間関係の本質を理解している

もちろん今でも、初めての経験・体験はビビりますし、ドキドキします。そんなもともとの気の弱さ・小ささを、シニアとしてのたくさんの失敗・成功体験がフォローしてくれます。

もちろん、HSP気質のデメリットも、シニアのメリットでカバーすることもできるようになってきました。逆もしかり。結局、自分自身で決断してチャレンジした経験や、年齢を重ねることによる実体験を経ないとわからないことがたくさんあるという結論です。

私自身のシニアとしてのデメリット

さて、ここからは私自身のシニアとしてのデメリットです。繊細HSPとしてではなく、実際にシニアになってからの実感です。私が実際に感じているシニアの大きなデメリットは、

①気力の低下
②リスクを恐れる

の2点です。

①気力の低下
シニア世代に突入して初めにもっとも顕著になるのが、体力の低下です。特に50才を過ぎたあたりから一気に来ました。疲労が翌日に回復しなくなり、2~3日かかるようになりました。今まで経験したことのない体調不良にも襲われるようにもなりました。

無理をすると翌日は寝たきり状態。40代までは「体調不良」という意味が分からなかった私でしたが、50過ぎて初めて実体験できました。

周りの同年代を見ても、40代までの不摂生のツケが50代に入ってまとめて襲ってくるパターンが多いのに驚きです。

体力が低下するだけならまだしも、私の周りでも病気になったり障害が出たりしています。50代になると、それまで知らず知らず体力でカバーできていたことができなくなってくるのだと実感しました。

さらに60代に突入すると、今度は腰痛をはじめとする各種関節痛が襲ってきます。私が幼かったころ、私のおじいちゃんやおばあちゃんが腰や肩にサロンパスを貼っていましたが、まさか自分がそんな状況になるとは想定外です。

とはいえ、体力の低下に対しては体力を維持アップする方法がいくらでもあります。ジムに行って筋トレしたり、ウォーキングしたりすれば対策はいくらでも取れます。私もウォーキングしています。

しかし、シニアにとって最も深刻なのは「気力の低下」です。いわゆる何かにつけて「やる気」が起こらなくなるのです。このやる気の低下はあらゆる場面で起こります。仕事でもプライベートでもです。

体力が落ちても気力があれば事務へ通ったり筋トレしたりする意欲もわきますが、その意欲自体が湧かなくなるのが怖いところです。この気力の低下は私自身徐々に感じ始めています。特に男性の場合、テストステロンというホルモンの老化による減少が大きな原因のようです。

スポーツ選手は体力の限界で引退する人が多いですが、シニアは気力の限界でリタイアする人が多いという現実を私もようやく理解できるようになりました。

もっとも、人生の大先輩に言わせると「70代・80代になるとさらに一気にガクっと来る」ということですので、60代はまだよちよちシニアというところなのでしょう。多少気力があるうちにやりたいこと・できることをやっておこうと頑張っています。

②リスクを恐れる
私の場合、2つめのデメリットは大きなリスクを取らなくなった(取れなくなる)ことです。特に経済的なリスクです。シニアになると、人生の残り時間が少なくなるので、チャレンジして失敗したら取り戻す時間があまりありません。

例えばよく聞く話として、「退職金2千万円つぎ込んで65歳でお店を持ったけど、上手くいかず3年で撤退閉店」なんてことになると、失った2千万円を残り人生で取り戻すのは至難の業です。もし開店後にお客さんが獲得できないと、手元の初期資金など固定費支払いであっという間に底をつきます。

2千万円失うだけならまだしも、もし借入金などがあれば返済もしていかなくてはなりません。20代・30代なら挽回する時間はまだまだたっぷりありますし、その気力もあるでしょう。しかし、60代超えての借金返済生活は気力の限界でしょう。

幸い私はHSPシニアなので、HSP気質である「先読み・深読みしすぎて行動できない」というメリットをこういった場合に活かせると感じています。

実際私は、40代での独立起業時には、それなりの資金をつぎ込みました。HSPらしく、失敗しても人生が破綻しない程度です。また、55歳以降は超低リスクの仕事にしかチャレンジしていません。

例えば、

  • 既存ビジネス関連の小規模展開
  • ブロガー(情報サイト作成)
  • Udemy講師(動画講座作成販売)

などです。仮に上手くいかなくても数万円~数十万円程度の損失で済むようなことにしかチャレンジしていません。さすがに、60前後から大きなリスクをとってチャレンジするのは、HSPとしては怖すぎるからです。

このリスクを恐れることをシニアのデメリットと言いました。ただ、実はこれは「大きなリスク」という限定付きです。私の場合「小さなリスク」ならかなり積極的にチャレンジできます。

大きなリスクを取れないというデメリットを発想転換して、小さなリスクならたくさん取れるというメリットに変えて行けるのが、経験豊富なHSPシニアではないかと最近は感じています。

まとめ

今回は、「HSPシニアである私自身のシニアの特徴」についてお話ししました。結論として、シニアのデメリットを現実と直視し、そのうえでメリットを最大限活かせるようにするしかないと考えています。

次回は「HSP×シニアの相乗効果を活かす」についてお話しします。