こんにちは、シニアブロガーのフレです。前回の続きです。ギターとかピアノとかなにか楽器が弾けたらいいな~、趣味でなにか楽器を始めてみたい!と思っているけど躊躇している・勇気が出ない・きっかけがないという、シニア(中高年・定年前後)の方へ向けて、「シニアからの楽器、初めの一歩の踏み出し方【第14回】」です。
前回は「私自身のシニアからの楽器活動事例」についてでした。今回は、「シニア人生が充実する楽器仲間の具体的な見つけ方や作り方」についてお話しします。シニアにとって残りの人生は、こうした仲間たちに左右されるかもしれない大切なテーマではないでしょうか?
仲間作りのメリット
前回の記事でお話ししたように、私は48歳からギターを始めたことがきっかけで、主に次の5つのパターンの活動をするようになりました。(コロナ期間中はお休み中あり)
①老人ホームでの「みんなで歌おう」ボランティア
②教室内発表会への参加(クラギ・アコギ)
③仲間で集まって定期合奏練習(クラギ)
④ユニットを組んでバンド活動(アコギ)
⑤地元ショッピングセンターでのフェスや市民祭り参加
ギター教室に通うようになってたくさんの人たちと出会いました。そしてその中から気の合う仲間と出会い、その仲間たちと活動をするようになりました。
こうした活動をするようになるとは、ギター教室に通うまでは夢にも思ってみませんでした。でも、仲間たちのおかげで刺激を受け、いろいろな経験をさせてもらい、楽しく充実した日々を送ることができています。それまでは仕事しか知らなかった私の人生が大きく変わったと言ってもよいでしょう。
自分一人でただギターを弾いているだけだったら、こんなにたくさんの未知の体験・活動はできなかったと思います。たぶん一人だと行動を起こすこと自体が面倒だし、勇気もいるからです。仲間がいなかったら早々にギター自体を挫折していたと思います。(すぐにあきらめる性分の私です)
こうした仲間作りのメリットは、以前の記事(楽器上達に最強の仲間作り)でもお話ししたように以下の様になります。
①刺激を受ける☞自分も頑張ろうと思う
②迷惑をかけられない☞必死に練習する
③楽しい、ワクワクする☞練習が苦にならない
④役割や立場が明確になる☞自己肯定感が上がる
⑤活動範囲が広がる☞社会や他人に貢献でき人生が充実する
これらを総括した私自身が一番感じる究極のメリットは、「自分ひとりではできないこと・やろうとしなかったことも仲間がいるからできた」ということに尽きると思います。その結果として人生が大きく方向転換する可能性もあります。
楽器に限らず人生全般に言えることですが。そんな仲間作りのポイントをお話しします。
仲間作り5つのポイント
私の経験上、人生を充実させてくれる楽器仲間を作るには、以下の様に大切な5つのポイントがあります。
①まず仲間が見つかる環境に身を置く
②焦らず時間をかける
③上手な人、自分よりできる人に媚びない
④お互いに敬意を持てるか?
⑤自分から声をかける
それぞれを見ていきましょう。
①まず仲間が見つかる環境に身を置く
当たり前の話ですが、自宅で一人楽器を練習しているだけでは誰とも出会うことはありません。恋愛やビジネスと同じでそれなりの交流の場へ出向かなければ誰とも出会えません。楽器仲間と出会うためにも、その仲間が見つかる環境に自らの身を置く必要があります。例えば、
これから楽器を始める人や初心者の人なら
・楽器教室に通う
・発表会に参加する
・懇親会に顔を出す
また、ある程度楽器ができる人なら
・ライブバーやライブカフェのステージに参加する、顔を出す
・イベントに参加する、顔を出す
・他の種類の楽器を習いに教室に通ってみる
・サークル活動に参加する、お手伝いする
・ボランティア活動をお手伝いする
などがあります。そうした場へ行くことによってまずは誰かと顔見知りになる必要があります。
当たり前すぎて拍子抜けする話ですが、この最初の行動を起こす人は意外と少ないです。あまり気負わず気楽な気持ちでこうした場へ行ってみることが第一歩です。まずは、体験レッスンに申し込んでみたり、見学したり、誰かのお手伝いをしたりするところから始めてみると気楽です。
②焦らず時間をかける
さて、仲間が見つかる環境に身を置くことができたら次は、一緒にやりたい相性のよさそうな人を探します。とはいえ、本当に相性が良くて長く付き合っていける人はそんなすぐには現れませんし見つかりません。すぐに気の合う人が見つかる場合も中にはありますがかなり稀です。
特に日本人はシャイなので、この最初のきっかけ作りが苦手な人が多いです。初めからいきなり心を開いて接して来る人はあまり多くありません。誰もが最初は「探り探り」しながらです。ある程度親しくなるのにそれなりの時間がかかるのが現実です。(楽器に限らずあらゆる人間関係もそうですね)
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このように人間関係が親しくなっていく心の変遷を心理学では「ザイオンス効果」と言います。繰り返し接することによって印象・高感度・関心の度合いが高まるというものです。
さらに同じく心理学で「メラビアンの法則」というものがあります。これは他人とコミュニケーションをとる際、どうすれば一番印象が残るかを検証したものです。この検証によると、私たちが仲間を作ろうと思ってその相手に印象を持ってもらうための伝達初段として有効なのは、例えば、
文字7%(メール、ライン)<電話で会話38%<直接対面で会話55%
の順になり、「直接対面で会話」するのが圧倒的に相手と親しくなれます。
つまり、早く仲間を作りたいなら、できるだけ数多く直接会って話す機会を増やすことが一番ですね。(コロナ期間中は難しいですが)
とは言え、学校に通っていたころの様に毎日顔を合わせているなら、すぐに仲良くもなれるでしょう。大人、しかもシニアになってから教室に通うのはせいぜい週に1回、30分~1時間程度です。月に4回通ったとしても、急速に親しくなるには時間が十分ではありません。
私の経験上、楽器など習い事の教室に通ってそれなりに親しくなるには1年以上かかる場合が多いです。1年なら早い方かもしれません。2~3年かかかることもざらです。
したがって、あなたが本当に「この人と一緒にやってみたいな~」「この人がいるグループに入ってみたいな~」と思える人たちと出会えるまで、こうした「ザイオンス効果」や「メラビアンの法則」を意識しつつも、あまり焦らず時間をかけることが必要です。
大切なのは、あなたが心から楽しいと思える、ワクワクするような相性の良い人との出会いを焦らずじっくり待つこと、探すことです。
③上手な人、自分よりできる人に媚びない
楽器仲間を探す目的の一つとして「一緒に音楽活動をしたいから」があります。この場合、どうしても人間的な相性よりも「楽器のテクニック」や「楽器がうまいかどうか」を基準に相手を選んでしまうことがあります。
プロになるならともかく、趣味として楽しむだけならこの選択基準はあまりお勧めできません。上手な人がたまたま相性のいいことももちろんあります。ただ、相性よりも上手かどうかで仲間作りをしてしまうと、相手に媚びてしまい、下手に出ざるを得なくなる恐れがあります。こうなると楽しくありません。
自分とだいたい同じレベルの人を探すのが一つの大切な基準かもしれません。あまりレベルが違い過ぎると逆に楽しくないことが多いからです。
シニアから楽器を始める大きな目的の一つは「楽しむこと」にあります。会社や仕事で上司・お客さんに媚びを売るのと同じようなことは私生活ではしたくありませんし、する必要もありません。
あくまでも相性を優先することがおすすめです。楽器が自分と同レベル以上で相性が良い人が最高です。ただし、仲間作りの第一目的が「交流を楽しむ」だけなら楽器レベルはあまり関係ありませんね。
④お互いに敬意を持てるか?
あなたが相手に媚びを売るのとは逆に、相手があなたを見下したような態度をとる場合もあります。楽器が上手なこと自体を自慢し偉そうにする人もいますし、先輩づらする人もいます。
また、会社・仕事でそれなりの地位にいる人(いた人)や、社会的に地位が高いとされている職業(医者、教授、社長、会社役員、公務員、大手企業管理職など)の人(であった人)たちは、自分では意識せずとも上から目線の態度をとる人が時々います。
こうした態度に自分で気づいていない人が一番困ります。こういう人たちは長く本音で付き合っていくのは庶民シニアにとってはしんどいです。
社会的な地位とは無関係に、あなた自身の人間性に対し尊敬・経緯の念をもって接してくれる人を仲間として選ぶのが正解です。
あなたがまだまだ現役バリバリのビジネス社会人でかつ、人脈を重視したい場合ならこれはあまり気にすることはないかもしれません。ビジネスライクな視点で仲間を選ぶのもありです。
ただ、趣味の世界で仲間を作り長く付き合っていくには、あくまでもお互いに敬意を払えるかどうかが大きなポイントになると私は思っています。
⑤自分から声をかける
さて、楽器教室に通うになったとしても、ただじっとしているだけでは、なかなかお声がかかることはありません。自分から積極的に「一緒にやりたいオーラ」を出していかない限り前へ進めません。
あなたがすごく楽器が上手な人なら「一緒にやってください」と言われるかもしれませんが、初心者のうちはなかなかそれもないでしょう。
私の場合は、ドキドキしながらも次のようなアプローチをしました。
・クラシックギター合奏仲間との活動の場合
⇒スタジオを予約して、他の生徒さんを一緒に合奏の練習に誘った。
・アコギのバンド仲間との活動の場合
⇒教室忘年会でカラオケに行ったとき、めっちゃ歌のうまい他の生徒さんを「一緒に弾き語りやれへん?」と誘ってみた。
・老人ホームでのボランティア活動仲間の場合
⇒友人のホームパーティに行ったとき、みんなの前で「ギター始めたんよ」と恥ずかしながらいったことがきっかけで、同じくギターをやっている知人がたまたまその場におり、一緒に練習するようになり、その流れでボランティア活動に誘われた。
というのがきっかけです。まずは、楽器を始めたことを恥ずかしながらも周りに公言することから始めるのがきっかけ作りにはベターです。
仲間と継続して付き合うコツ
さて、実際に仲間ができるといろいろな人間関係が相錯綜します。若いころとは違ってシニアになるとそれなりに分別もありますし、あまり欲得にもこだわらないようになります。それでも人間ですから、仲間同士で意見の食い違いや小さなもつれ・ほころびが出てきます。よくあるトラブル原因は、
1、演奏パート
2、役割分担
3、気質・性格
4、嫉妬
5、色恋沙汰
です。一つずつ見ていきましょう。
1、演奏パート
誰がどのパートを演奏するかで揉めることがあります。バンドで楽器がそもそも分かれている場合(ドラム、ベース、ギター、キーボードなど)は問題ないでしょう。一方で、特に同一楽器でのクラシック合奏の場合などは、1st、2nd、3rdなど演奏するパートで揉めることもあります。
お互いに譲り合うのが紳士淑女の大人シニアというものです。
2、役割分担
イベントのステージやボランティア活動の時に、役割分担で揉めることもあります。MC(進行)がしたい、交渉や準備はやりたくない、申し込みはあんたがやって、機材準備は誰がするの?などです。メンバーに世話好きの人がいればグーです。
誰しも得意・不得意分野はあります。それぞれの得意分野を分担しましょう。
3、気質・性格
楽器仲間に限らずどの世界でも、この気質・性格の違いによるすれ違いは多かれ少なかれあります。時間に正確な人もいればいつも遅れる人もいる、細やかな人もいれば大雑把な人もいる、小心な人もいればイケイケドンドンの人もいる。
こうした気質・性格の違いはある意味必要ですが、うまく協調していかないと仲間割れに結び付きます。
あいつはいつも時間に遅れるけどなんか憎めないんだよね、みたいにお互いに長所短所含めて認め合えるようになれたら最高です。
4、嫉妬
楽器の演奏テクニックの差、歌が上手い下手の差、観客に好かれる好かれないの差、ルックスが良い良くないの差、など一緒に行動する時間が長くなるとこうしたことに嫉妬の感情が芽生えてくることがあります。若いころほど顕著ではないですが。
これは、「自分を認めてもらえない」という自己肯定感の低さが原因のほとんどです。したがって「仲間作りのポイント」でもお話ししたように、お互いに敬意をもって接することができる仲間を最初の段階で選んでおくことが大切です。
5、色恋沙汰
芸能界などではよく聞く男女間の話です。シニアの趣味の世界ではそれほど顕著ではないでしょう。それでも、仲間内でのこうした色恋沙汰はチーム分解につながることもあります。ただ、あることないことを噂にして広めることが好きなおばさん・おじさんもいますので、気を付けるに越したことはありません。
以上、仲間と継続して上手く付き合うコツをまとめると、結局は、
お互いに敬意をもって
お互いの良いところを認め合って
付き合うことに尽きると思います。
まとめ
今回は「シニア人生が充実する楽器仲間の見つけ方・作り方」についてお話ししました。私自身が経験したことを事例にお話ししました。あなたもぜひすばらしい仲間を見つけて人生が良い方向へ変わる経験ができると最高ですね。
次回は、「楽器を始めるかどうかで迷ったら最後は‥【シニアからの楽器⑮最終回】」についてお話しします。
①仲間作りのメリット
②仲間作りのポイント
③仲間と継続して付き合うコツ