シニアのための楽器練習、小さな習慣5つのポイント【シニアからの楽器⑧】

こんにちは、シニアブロガーのフレです。前回の続きです。ギターとかピアノとかなにか楽器が弾けたらいいな~、趣味でなにか楽器を始めてみたい!と思っているけど躊躇している・勇気が出ない・きっかけがないという、シニア(中高年・定年前後)の方へ向けて、「シニアからの楽器、初めの一歩の踏み出し方【第8回】」です。

前回は「シニアからでも楽器が上達する方法」についてお話ししました。先生が教えてくれない大切なことや、シニアからでも楽器が上達する小さな習慣の原則を知っておくだけで、練習する意識が変わり、意欲がわいてきますね。

今回は、「シニアのための楽器練習小さな習慣5つのポイント」について、私が実際に実践してきて効果抜群だった具体例を踏まえてお話しします。

今回得られる3つのポイント

絶対楽器が上達する
①小さな習慣の具体例がわかる
②小さな習慣の考え方を習得する
③挫折しそうになった時の対策がわかる

楽器練習小さな習慣:3つの特徴

シニアからでも楽器が確実に上達するための小さな習慣には3つの特徴があります。まずその3つの特徴を踏まえたうえで、実際に私の経験事例やポイントについてお話しします。

楽器が確実に上達するための小さな習慣の大きな特徴は次の3つです。

小さな習慣の3つの特徴

①誰にでもできる
②気が付かないうちに確実に上達する
③自分との約束を守れたという自信が人生を変える

私のような凡人シニアでもできましたし、あなたでも必ずできます。前回お話ししたように「一日5分」だけなので誰だって実践できます。そして、自分でも気がつかないうちに自然と着実に上達しています。

もちろん楽器は芸術の世界なので、必ずしも誰もが認めるほど「上手くなる」わけではありませんが、一方で確実に「上達」はします。少なくとも知らない間に自己成長はしています。

そして、一番の特徴は「毎日コツコツたとえ5分だけでも継続できて、結果として楽器が上達したという自信」が、楽器以外のあらゆる場面で役に立ちます。この楽器で習得した小さな習慣のおかげで、私も仕事やこの記事をコツコツ作成するのにすごく役立っています。

今書いているこのブログも、毎朝「あ~今日はやめとこかな~、面倒やな~、さぼろかな~」と思います。毎日です(笑)。でも、ほんのちょっとだけ、例えば「とりあえず1行だけ書いたらやめよ」とか、「とりあえずタイトルだけ考えよ」とか、ひどい時には「PCのスイッチだけ入れよう」「ワードのファイルだけ開こう」みたいな日もあります。

ただ、たったそれだけでも「継続しさえすれば必ず結果が出る」という成功体験を知っているので続けられていると思います。さらに、こうした自分との約束を守れたという自信が人生を変えていってくれます。

百戦錬磨のシニアはこうした結果に納得すればコツコツ集中できる特徴があります。また、シニアの人は、努力は裏切らないという本質を理解している人が多いです。この小さな習慣は正にシニア向けの成功習慣だと私は感じています。

小さな習慣の5つの具体事例

以下は実際に私が行ってきたギター練習の小さな習慣の具体事例です。難しいことは一つもしていません。誰でもできますが多くの人はなかなか気づきません。

小さな習慣術、私の5つの事例

習慣術①ギターはケースにしまわない
習慣術②ギターを構えるだけでもOK
習慣術③3分練習したらやめてもOK
習慣術④1小節だけ進めばやめてもOK
習慣術⑤組み合わせの「前習慣」を決める

1つずつ見ていきましょう。

習慣術①ギターはケースにしまわない
いくら好きな楽器でも練習をスタートする前は拒絶反応が起こりやすいので、できるだけハードルを下げます。そのひとつ目として私は、ギターはケースにしまわずギタースタンドに立てたままにしています。ギター愛好家には怒られそうですが、ケースから取り出す手間が不要なのは、椅子に座ったらすぐにギターに触れるので、練習スタートのハードルが下がります。

また、楽譜やピック、カポタストなど練習に必要なものはいちいちしまわず、譜面台の上に出しっぱなしにしています。これで、椅子に座ってすぐにギターを構えることができます。ただし、奥さんには「ちゃんと片づけてや!」といつも怒られる覚悟が必要です。

習慣術②ギターを構えるだけでもOK
練習スタートのハードルを下げる2つ目が「とりあえずギターを構えてみるだけ」「ちょっとギターに触ってジャら~んと弾いてみるだけ」でも練習と認めてあげる、誉めてあげる、というものです。これだけならできそうです(笑)

習慣術③5分練習したらやめてもOK(3分だけやろう)
練習スタートのハードルを下げる3つ目が、ギターに触ったら5分練習したらOK!5分練習したらやめてもいいよと許可を出すことです。この時間的な許可があることで気持ちがすごく楽になり、5分後には自由にしてもいいんだという安心感によって少なくとも5分は集中練習できます。たかが5分ですがこれが大事です。何もしないと成長・進歩ゼロですから。5分でなくても3分でも1分でも効果は同じです。

習慣術④1小節だけ進めばやめてもOK
練習スタートのハードルを下げる4つ目は、進める距離に許可を与えることです。具体的には、楽譜だと1小節進めばOK、歌詞カードだったら1行進めばOK、テキストだったら1項目進めばOK、動画だったら1パート進めばOK、という風に時間ではなくごく短い距離に終わりを決めてから練習に取り掛かることです。ウォーキングだと家の周り1周だけ、みたいな感じです。

私の場合、楽譜の1ページ全部譜読みしようとすると拒絶反応が起こり、スタートさえできませんが、1小節(オタマジャクシ♩4つ分) だけ進んだらやめてもOK と決めたら取り掛かる気になります。

ちなみに作家の村上春樹さんは毎日原稿用紙10枚だけ書くと決めているらしいです。やる気がなくても10枚、まだまだ書けそうでも10枚まで、と決めて習慣化しているということです。大作家ならどんどん書き続けられそうと思いきや、こうした習慣術を応用しているんですね。

習慣術⑤組み合わせの「前習慣」を決める(夕食後、風呂上がりなど)
私が実践している小さな習慣術の5つ目は、組み合わせの「前習慣」を決めている事です。これは習慣化の本などでよく取り上げられている有効な手段です。

例えば私の場合は、
・夕食後すぐにギターの前に座ってギターを構える
です。

ギター練習の前習慣は「夕食」になります。このほか、風呂上がりとか、就寝前とか、歯磨いた後とか、自分の取り組みやすい前習慣を決めるといいです。

以上、5つの小さな習慣事例を挙げました。こうした小さな習慣には大事なポイントがあります。

小さな習慣の考え方5つのポイント

楽器練習小さな習慣の基本的な考え方のポイントは次の5点です。

小さな習慣の考え方5つのポイント

考え方①練習ハードルを思い切り下げる
考え方②練習環境を固定する
考え方③当面の目標を再確認
考え方④喜ばせたい人を思い出す
考え方⑤楽器を始めた目的を思い出す

それぞれを見てみましょう。

考え方①練習ハードルを思い切り下げる
人間ですからいつでもやる気があって、モチベーションが上がっているとは限りません。私もギターは好きですが、練習となるとやる気のない日の方が多いです。そんな時でも、具体事例でお話ししたように私が良く実践しているのは、

・5分だけ練習したら終わる
・1小節だけ、1行だけ進んだら終わる

と本気でまず決めることです。そう決めたら「よし、とりあえずちょっとだけ練習しよか!」という気になります。現実には5分で終わることはなくけっこう練習を続けてしまいます。このように練習ハードルを思い切り下げることが第一の考え方です。決して完璧主義にならない事です。

考え方②練習環境を固定する(場所とセッティング)
練習環境とは、場所・時間・配置などのことです。毎日違った環境でそのたびごとに練習のための各種セッティングをするとなるとそれだけで面倒になってしまうからです。

環境を固定しておいてそこに座るだけで練習スタートできるようにしておきます。私の場合ですと、練習する部屋は決まっていて、時間は夕食後すぐ、ギターや楽譜はしまわず出しっぱなしです。座るだけでOK!

考え方③当面の目標を再確認
目先の目標がないとどうしてもモチベーションはアップしません。

  • 発表会やライブ
  • 合奏練習
  • バンド練習
  • 人前で演奏、弾き語り
  • 次回レッスンの課題

などがあって初めてやる気も湧いてきます。こうした短期の目標がないと「まあ、今日は練習いいや」となりがちです。長期目標とは別にこうした短期目標を毎回確認しておくことです。

考え方④喜ばせたい人を思い出す
目先の目標とは別に、その目標を達成したときに喜ばせたい人や喜んでもらいたい人のことを頭に浮かべると、練習にも気合が入ります。自分のためだけの練習だとどうしても、「まあ、いいや」となりがちです。

  • 好きな人に聞いてもらいたい
  • 家族の前で披露する
  • 高齢者施設でボランティア活動する
  • 障害者施設の子供たちに楽しんでもらう

などです。私の場合は、老人ホームに行って「一緒に歌おう会」というボランティア活動をする前の練習は一番気合が入ります。ものすごく喜んでもらえるからです。練習せざるをえませんね。

考え方⑤楽器を始めた目的を思い出す
そもそも何のために楽器を始めたんだっけ?とたまには思い出してみるとよいです。知らない間に方向が変わっていることもあります。良い方向への変化だといいのですが、自分が心地よくない方向への変化をしていると練習する気も失せてくるからです。例えば、実際に教室などに通い始めると先生や生徒同士の人間関係から、

  • 一人で弾き語りしたかったのにバンド活動で忙しすぎる
  • ソロで演奏したいのに付き合いで合奏ばかりやっている
  • 知らない間にやりたくないジャンルになっている
  • アコギやりたかったのにエレキをやっている

などの変化が起こることもあります。時々は方向を思い返して変更することもモチベーションアップには大切です。

まとめ

以上、楽器練習小さな習慣の基本的な考え方のポイントを5点挙げました。シニアはだんだんと体力・気力が低下し、練習意欲もモチベーションも下がります。一方、自分が納得さえすれば完璧を目指し、目の前のことに集中没頭できる環境にあるリタイアシニアの人もいます。

こうした点を踏まえたシニア独自の練習方法を自分なりに組み立てできるとよい成果として現れるはずです。

今回は、「シニアのための楽器練習小さな習慣5つのポイント」についてお話ししました。私が実際に実践している具体例やその基本的考え方についてでした。誰でもできるのに明確に気付いている人はあまりいないのではないでしょうか?

次回は「シニアの楽器練習に最強の仲間作り」についてお話しします。